- スワップ狙いのトレードの可否
トルコリラなどに代表されるスワップ金利を目的に行う長期のトレード。ここではスワップ狙いのトレードについて考えます。
スワップ狙いのトレードを考える(トルコリラの場合)
トルコリラがまた暴落してTRYJPYで16円を割りました。2010年には63円くらいでしたので、そこから75%くらい下落したことになります。
スワップ狙いでトルコリラを買って下落に耐えていた人は退場した人も多そうです。
トルコリラがわりと話題にあがるのはスワップ金利がとても魅力的に映るためです。
トルコは政策金利が諸外国に比べて高く、現状で8.00%あります。
日本の政策金利は0.10%ですので、トルコリラ円を買っておくと、その政策金利の差額7.9%が日々スワップ金利としてもらえます。
2018年5月25日現在のスワップ金利は以下のとおりです。(GMOクリック証券の場合)
通貨ペア | 必要証拠金(1万通貨あたり) | スワップ金利(1日あたり) |
USD/JPY | 43,820円 | 53円 |
AUD/JPY | 33,144円 | 37円 |
TRY/JPY | 9,204円 | 76円 |
トルコリラ1万通貨の買いポジションで1週間で532円(76円×7)もらえることがわかります。
必要証拠金は9,204円ですので、拘束資金に対して結構いい利率がもらえることがわかります。
スワップだけにフォーカスすると確かにおいしいトルコリラですが、価格変動がスワップの利益を余裕で吹き飛ばします。

上記のチャートのとおり、トルコリラ円は、ここ20年くらいきれいな右肩下がりのダウントレンド。
資金を吹っ飛ばされて退場したトレーダー、この地獄のような状況をひたすら耐えているトレーダーがネット上には多数散見されます。
結果論ですが、スワップ狙いでトルコリラを保有しているくらいなら、何もしていなかった方がましと言えるでしょう。
トルコリラのスワップが高い理由
- トルコは高いインフレ率に悩んでいる
- トルコは政情が不安定
先進国のほとんどが金融緩和で政策金利を下げるなかで、高金利を維持している通貨(国)というのはそれなりに理由があります。
トルコは、直近で16%以上のインフレ率で、物の値段がどんどん上がっていく状況にあります。
インフレを止めるために金利を上げる必要があるため、結果としてトルコリラのスワップ金利も高くなることになります。
また、エルドアン大統領の強権政治によるデモの弾圧やクーデター未遂、テロの活発化など政情が不安定な状態が続いています。
国として政情が不安定だと当然ながら自国通貨は下落します。世界からなくなるかもしれないと思われている国の通貨を誰が買うでしょうか。
そのため、自国通貨を買ってもらうためにも金利を上げる必要があり、スワップ金利も高くなるということになります。
スワップ狙いのトレードの可否
現在のスワップ狙いのトレードの特徴
リスク(下落幅)の大きさに比べて、リターン(スワップ金利収入)が少ない
全般的にスワップ金利が高い通貨は、スワップでもらえるプラスよりも、価格変動によるマイナスが大きい状態です。
つまり、リスク(下落幅)の大きさに比べて、リターン(スワップ金利収入)が少ないということです。
そのため、FXにおいてスワップ狙いの長期トレードというのはオススメできないというが結論になります。
リスクに対してリターンが見合っていないトレードを継続していると、いつかは資金をなくして退場すること間違いなしです。
スワップ狙いのトレードを考えるのまとめ
- 現状、スワップ狙いの長期トレードはリスクとリターンが見合っていないためオススメしない
現状、スワップ狙いの長期トレードというのは、あまりおいしくないというのが結論です。
FXはスワップ金利狙いで長期トレードをするよりも、短期売買の方が相性がよいです。(長期トレードをしたいなら株とかETFを買っておいた方がいいかと)
ある程度の経験や準備は必要となりますが、短期売買で稼げるようになると余裕でお金が増えていきます。
スワップ金利を日々チマチマもらうよりは、日々チマチマ1pipsでも抜くことを目指した方が個人的にはよいと思います。
