FX取引の基礎知識

強制ロスカットの仕組みを理解する(証拠金維持率の計算方法)

【強制ロスカットのルール】ロスカット水準と証拠金維持率を理解する
この記事でわかること

  • 強制ロスカットの仕組み
  • 証拠金維持率の計算方法

どのFX業者でも必ずある強制ロスカット。顧客が入金額以上の損失を出さないようにFX業者が強制的に顧客のポジションを決済する仕組みです。

エヌ
エヌ
強制ロスカットが執行される基準となるのがロスカット水準。ロスカット水準を理解するために証拠金維持率についても理解しておきましょう。

強制ロスカットの仕組み

<強制ロスカットとは>

顧客が入金額以上の損失を出さないように、決められた証拠金維持率(ロスカット水準)を下回った時点でFX業者が「強制的に損切り」を行うこと。

国内・海外問わず、どのFX業者にも強制ロスカットの決まりがあります。

強制ロスカットとは、口座残高以上の損失を出さないように、業者が決めたロスカット水準を下回ったら、FX業者が強制的に顧客のポジションを決済することです。

ロスカット水準とは強制ロスカットになる証拠金維持率のこと」をいいます。

「ロスカット水準は証拠金維持率が〇〇%」

と、どのFX業者のHPにも書いてあるはずです。

このFX業者ごとに定められた証拠金維持率(ロスカット水準)を下回った時点で、強制ロスカットがFX業者によって行われます。

つまり、トレーダーのポジションが強制決済されるわけです。

<ロスカット水準の目安>

証拠金維持率が何%で強制ロスカットになるかはFX業者によって異なります。

国内FX業者の場合は概ね50%~100%、海外FX業者の場合は概ね0%~40%くらいです。

※数字が小さければ小さいほど強制ロスカットにはかかりにくくなります。

<マージンコール水準>

ロスカット水準と似た用語にマージンゴール水準というものがあります。

マージンコールというのは、証拠金維持率が減っているという業者からのアラートです。

もうすぐ強制ロスカットだよというアラートとも言えます。

マージンコール水準というのはそのアラートがされる証拠金維持率のことです。

ロスカット水準と証拠金維持率

<ロスカット水準>

強制ロスカットになる証拠金維持率のこと

※証拠金維持率40%以下で強制決済という場合、ロスカット水準は40%と表現されます。

<証拠金維持率>

「有効証拠金÷必要証拠金×100」で計算される数値のこと

※有効証拠金=口座残高+保有ポジションの評価損益(含み益・含み損)のこと

※必要証拠金=ポジションを保有するために必要な証拠金のこと

前述のとおり、ロスカット水準とは強制ロスカットになる証拠金維持率のこと」をいいます。

ロスカット水準を理解するには、証拠金維持率がなにかを理解しないといけません。

証拠金維持率は、「有効証拠金÷必要証拠金×100」で計算される数値のことです。

有効証拠金と必要証拠金という新しく出てきた言葉を定義すると以下のとおり。

有効証拠金:口座残高+保有ポジションの評価損益(含み益・含み損)

必要証拠金:ポジションを持つために必要な証拠金

口座残高+保有ポジションの評価損益をポジションを持つために必要な証拠金で割ったものをパーセント表示にしたものが証拠金維持率です。

この証拠金維持率が一定の数値以下になったとき(ロスカット水準にかかったとき)に強制ロスカットが執行されることになります。

なお、ロスカット水準と必要証拠金はFX業者ごとに決められているものです。

そのため、変動するのは有効証拠金のみだということを理解しておいてください。

以下、具体例をあげておきます。(説明の都合上スプレッドは無視します。)

<必要証拠金について)>

<必要証拠金の計算方法>

必要証拠金=通貨ペアの現在レート×取引ロット数÷口座レバレッジ

必要証拠金は業者ごとに決められているといいましたが、上記の計算式の口座レバレッジが業者によって異なるため、業者ごとの必要証拠金が異なって決められているという意味です。(※国内FX業者の場合は、どの業者も最大レバレッジ25倍なので横並び。)

例として、ドル円の現在レートが110円、10万通貨を買う場合を考えます。

最大レバレッジが500倍の海外FX業者での必要証拠金は、22,000円となります。

一方、最大レバレッジが25倍の国内FX業者での必要証拠金は、440,000円となります。

  • 110円(現在レート)×10万通貨(取引lot数)÷500倍(口座レバレッジ)=22,000円
  • 110円(現在レート)×10万通貨(取引lot数)÷25倍(口座レバレッジ)=440,000円

最大レバレッジが大きいFX業者の方が、強制ロスカットになる値段が現在レートから遠くなります。

証拠金維持率の計算の具体例

<前提条件>

  • 口座残高10万円
  • 保有ポジションの必要証拠金が50,000円
  • ロスカット水準は70%

エントリー時の証拠金維持率

10万円(口座残高)+0円(評価損益)=10万円(有効証拠金)

10万円(有効証拠金)÷50,000円(必要証拠金)×100=200%

ポジションを建てた時点では、評価損益が0なので口座残高がそのまま有効証拠金となります。それを必要証拠金で割ると証拠金維持率が計算できます。計算の結果、証拠金維持率は200%となり、ロスカット水準である70%を上回っていることから強制ロスカットにはなりません

5万円の含み益がある場合の証拠金維持率

10万円(口座残高)+5万円(評価損益)=15万円(有効証拠金)

15万円(有効証拠金)÷50,000円(必要証拠金)×100=300%

含み益がある場合には、口座残高に含み益の金額を足したものが有効証拠金となります。上記の場合、15万円が有効証拠金となり、それを必要証拠金で割ることになります。計算の結果、証拠金維持率は300%となり、ロスカット水準である70%を上回っていることから強制ロスカットにはなりません

7万円の含み損がある場合の証拠金維持率

10万円(口座残高)-7万円(評価損益)=3万円(有効証拠金)

3万円(有効証拠金)÷50,000円(必要証拠金)×100=60%

含み損がある場合には、口座残高から含み損の金額を引いたものが有効証拠金となります。上記の場合3万円が有効証拠金となり、それを必要証拠金で割ることになります。計算の結果、証拠金維持率が60%となり、ロスカット水準である70%を下回っています。そのため含み損が7万円になる前の時点で強制ロスカットが執行されていることになります。

<強制ロスカットされる口座残高の金額の計算方法>

証拠金維持率の計算方法を逆算すると、強制ロスカットにかかる口座残高がわかります。

上記の例で考えると、

口座残高÷50,000(必要証拠金)×100=70%

口座残高=70%÷100×50,000

口座残高=35,000円

含み損によって口座残高が35,000円を割ったら強制ロスカットが執行されます。

当初の口座残高が10万円の場合、含み損が65,000円を超えたらという言い方もできます。

強制ロスカットを理解するのまとめ

<強制ロスカットとは>

顧客が入金額以上の損失を出さないように、決められた証拠金維持率(ロスカット水準)を下回った時点でFX業者が「強制的に損切り」を行うこと。

<ロスカット水準>

強制ロスカットになる証拠金維持率のこと

※証拠金維持率40%以下で強制決済という場合、ロスカット水準は40%と表現されます。

<証拠金維持率>

「有効証拠金÷必要証拠金×100」で計算される数値のこと

※有効証拠金=口座残高+保有ポジションの評価損益(含み益・含み損)のこと

※必要証拠金=ポジションを保有するために必要な証拠金のこと

強制ロスカットは、どのFX業者でもある決まりなので、きちんと理解しておきましょう。

ただし、強制ロスカットにかかるようなトレードは極力しないようにすることが大事です。

リスク管理をきちんとしたうえで、トレードをすることをオススメします。

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