海外FXで儲かったなら、翌年の確定申告で所得税を納税する必要がある。
国内FXだと分離課税で20%ちょいですが、海外FXは総合課税なのでたくさん儲かると累進的に納税額が上がっていく。
なので、すでにFXで安定して勝てるなら国内FX業者を利用してFXをした方がメリットがでかいので要検討。
で、実際に確定申告となった時に納税額はどうやって計算したらよいのか。
ということで、ここでは「海外FXの確定申告(納税額の計算方法)」についてまとめていきます。
海外FXは累進課税
税制 | 国内FX業者 | 海外FX業者 |
税率 | 分離課税 (常に20.315%) | 総合課税 (累進課税で最大55%) |
繰越控除 | 〇 | × |
損益通算 | 〇 | × |
海外FXで一定以上儲かった人(プラス収支の人)は、年明け2月中旬から3月中旬の間に確定申告をする必要があります。
逆に、FXで儲かっていない人(マイナス収支の人)は、確定申告をする必要はありません。
海外FXは、国内FXよりも税制面で不利であり、最大55%まで税金を持っていかれます。
なので、すでにFXで稼ぐ技術があり、運用資金も多い場合には国内FX業者を利用を検討したほうが良いかもしれません。
→ 私が海外FXを推す理由(海外FX業者のメリット・デメリット)
海外FXで確定申告をする必要がある人
確定申告をすべき人
給与所得ありの場合、年間20万円以上の利益を上げた人
給与所得なしの場合、年間38万円以上の利益を上げた人
※正確にはFXの利益から経費を引いた額が上記以上になる方
確定申告をする必要がある人の収益基準は、簡単に言うとサラリーマンかそうでないかで分かれます。
別の言い方をすると、給与所得があるかないか。
要は、会社から給料やバイト代をもらっているかどうかで基準となる金額が変わります。
勤め先があり、副業で海外FXをやっている人は給与所得者にあたり、年間20万円以上の利益を出したら、確定申告をする必要がある。
※サラリーマン、OL、アルバイト、パートなど
一方、勤め先がなく海外FXをやっている人は非給与所得者にあたり、年間38万円以上の利益を出したら、確定申告をする必要があります。
※学生、専業主婦、無職、定年退職者、年金生活者など
勤め人かそうでないかで、基準となる利益額が変わるので、自分がどちらかに属するのかをまず把握しましょう。
そして、基準となる利益額を超えていた場合、納税のための計算をする必要が出てきます。
確定申告における納税額の計算方法
課税所得(利益-経費)×税率-課税控除額
=納税額
確定申告における納税額は上記の式で計算できます。
順に見ていきます。
課税所得(利益-経費)の計算
まず、課税所得ですが、これは「年間利益-必要経費」で計算できる。
「年間利益」は、前年の1月1日~12月31日の売買損益+スワップ損益。
未決済のポジションの含み損益は含まず、確定損益のみ対象になります。
なので、例えばサラリーマンが12月末の時点で15万円の確定利益と8万円の含み益のポジションを保有していた場合、ポジションを決済しなければ確定申告自体が必要ない。
※給与所得者の確定申告は20万円以上の利益を得たら。確定損益が15万円なので未決済のポジションを決済しなければ20万円以上にならないため確定申告自体が不要。
なお、海外FX業者から年間損益報告書が出る場合にはそれを見ればよく、年間損益報告書がない場合にはMT4の口座履歴から期間を指定して前年度の損益を把握します。
そして、複数の海外FX業者を利用している場合はそれぞれの損益を合算します。
※なお、海外FX業者と国内FX業者は税区分が違うので合算できません。
「必要経費」は、海外FXで稼ぐためにかかったお金のこと。
書籍代だったり、PC代だったり、「FXをするのに必要だったんだよ」って税務署に説明できるものなら全部経費にしてしまってOKです。
必要経費の例
- FXについて勉強するためにかかった書籍代やセミナー代
- トレードするためのパソコンの購入費用
- モニタ・スマホ・タブレットの購入費用
- インターネット回線のプロバイダー代
- FXについて教わるための会食費
税率を掛けて課税控除額を引く
そして、計算した課税所得に税率を掛けて課税控除額を引くわけですが、税率と課税控除額は下記表の該当箇所を当てはめるだけ。
課税所得金額 | 税率 | 課税控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900〜1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円~4000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円~ | 45% | 4,796,000円 |
上記表は総合課税になる所得をすべて足した金額でどこに該当するかを判断するもの。
サラリーマンの場合は、「給与所得+海外FXの課税所得=トータルの課税所得」になるし、自分で事業をやっている方は「事業所得+海外FXの課税所得=トータルの課税所得」になる。
専業主婦とかで海外FXの収入しかない場合は、「海外FXの課税所得=トータルの課税所得」になるでどこに該当するかを判断すればよい。
なお、課税所得に対して住民税10%が課されますが、確定申告は所得税についてするものなので、確定申告では気にする必要はありません。
※あとで役所が勝手に計算して住民税の支払通知が送られてきます。
なお、復興特別所得税というものを納税額に足したものが正確な納税額になるのですが、説明をわかりやすくするため、後述の具体例ではないものします。
※復興特別所得税は、東日本大震災の復興財源を確保するための税金で2013年から2037年まで基準所得税額の2.1%納付することになっています。
納税額の計算の具体例
ケース1:サラリーマンの場合
- 勤め先からの給与:年収300万円
- 海外FXの利益:年間200万円
- 必要経費:50万円
会社からの所得が300万円、海外FXの所得が150万円。(200万-50万円)
合計450万円が課税所得になります。
課税所得450万の税率は表より20%。
450万円×税率20% -427,500円(課税控除額)=472,500円(納税額)
よって、472,500円を納税する必要がありますが、サラリーマンの方は給与所得にかかる部分はすでに天引きで所得税を納めています。
そのため、このこの472,500円からすでに会社経由で納税している分を引いた額が確定申告での納税額になります。(海外FXで稼いだ分だけ納税するということ)
※会社からもらえる源泉徴収票を見れば、給与所得に関わる納税額はわかります。
ケース2 専業主婦で海外FXのみ収益がある場合
- 海外FXの利益:300万円
- 必要経費:100万円
給与所得がないため、海外FXのみ200万円が課税所得になります。(300万円-100万円)
課税所得200万の税率は表より10%。
200万円×税率10% -97,500円(課税控除額)=102,500円(納税額)
よって、102,500円を納税する必要があります。
サラリーマンの方と違って、計算はシンプルな感じになり、この計算のままの納税額を確定申告することになります。