トレンド転換の際に現れるチャートパターンである三尊と逆三尊。
ヘッドアンドショルダーズとも言われます。
三尊・逆三尊は反転の強いサインなので、活用できれば大きな武器になる。
ただ、きれいでない三尊・逆三尊がでることもわりとあるので、認識できるようになるには訓練が必要。
その辺も踏まえ、三尊・逆三尊の活用についてまとめていきます。
三尊・逆三尊の基本
三尊・逆三尊のかたちとしては、下記のような感じ。

値動きのかたちを肩、頭、首という感じで見るので、ヘッドアンドショルダーズと呼ばれる。
これが反転パターンとなる理由は、
- 頭まではダウ理論で言うところの上昇トレンド
- 右肩が頭の高値を超えられずに高値を切り下げ
- ネックラインを割ることでダウ理論でいう下降トレンドに
という流れ。
なお、肩の位置は左肩の方が高くなる場合もあれば、右肩の方が高くなる場合もある。
逆三尊は、三尊をひっくり返しただけで同じ理由で反転パターンになる。
三尊・逆三尊を利用してのエントリー方法
で、三尊・逆三尊をトレードで活用するにはどうするか。
基本的には下記のポイントがエントリーゾーンになる。

①は、ネックラインを割り、ダウ理論でいう下降トレンドが確定した地点。
②は、ネックラインを抜けた後にいったん戻した地点。
どちらでエントリーするもよいのですが、私は②の戻しを待つ方が好みです。
理由は②の方がロスカット幅が小さくなるから。

三尊でエントリーする場合、直近の高値を超えられると、下降トレンドの継続が否定されるので合理的な損切り位置になる。
上図のとおり、①よりも②の方がロスカット幅が短くなるので、個人的には好み。
ただし、下落の勢いが強いと一度も戻さずに下落するので、その場合は乗れません。
実損と機会損失を並べて、前者が嫌なら②で、後者が嫌なら①でエントリーすればいいかなと思います。
さらに、他の要素から反転に自信がある場合は、三尊を作る過程でもエントリーできます。

右肩の高値を目安に、左肩が作られるであろう地点で逆張りするみたいにネックラインを割る前にエントリーする。
これは、三尊が確定してない時点で入るので、うまくいけば値幅が大きく取れますが、反転しないパターンも多いです。
他の要素から反転に自信があって、攻めたエントリーをしたい時なら使えるといった感じ。
チャートで見る三尊・逆三尊
では、実際のチャートで見ていきます。

上記のチャートをみて三尊・逆三尊はどこか。
どこでエントリーすべきかを少し考えてみましょう。
私の答えは下記のような感じ。

逆三尊が完成し、ネックラインを超えた地点 or 戻したところが買い場になります。
こんな感じでいくつかあげていきます。

どこが三尊・逆三尊でどこでエントリーしますか?
答えは下記。

上記のように、ぱっと見できれいな三尊ではないけど、よく見ると三尊だなってパターンもあります。
この辺は、どれだけチャートを見てきたかの慣れが必要にはなります。

どこが三尊・逆三尊でどこでエントリーしますか?
答えは下記。

上記のような、変形的な三尊のパターンもあります。

どこが三尊・逆三尊でどこでエントリーしますか?
答えは下記。

上記は、逆三尊を認識してのエントリーで、基本どおり。
ですが、これ下記のように三尊を認識することもできます。

これが1時間足のチャートだったら、4時間足とかで見るともっときれいな三尊ぽくなってるはず。
つまり、短期では上昇転換の逆三尊が出て上昇しているけど、長期で見ると、その上昇は頭を作りに行く上昇で、大きな流れは下っていうのがわかります。
チャート例は、まあこんな感じで。
最後に三尊・逆三尊を活用する時に注意したい点についてまとめておきます。
三尊・逆三尊の活用で注意したいこと
いくつかチャート例を見てもらってきたのでわかると思いますが、教科書通りのきれいな三尊というパターンは多くない。
なので、動いているチャートをたくさん見て、三尊・逆三尊ができている(できつつある)というのを認識できる必要があります。
そして、三尊・逆三尊が認識できたとしても、それを絶対視してトレードしないでください。
つまり、ロスカット注文は絶対にいれろということ。
三尊・逆三尊は、あくまで反転することが多いパターンであり、絶対に反転するわけではありません。
「三尊が完成→三尊を否定して上昇」みたいなパターンは、むしろ損切りを巻き込んで強い上昇になる。
以上のことを踏まえ、チャートをたくさん見て、パターン認識ができるように訓練する。
そして、それを自分のトレードルールに組み込んでトータルプラスに持っていくという感じで利用できるとよいと思います。