- ナンピン手法がオススメできない理由
直近のトレンドとは逆方向にポジションを積んでいく逆張りのナンピン手法。勝率は高くなりやすいですが、オススメしないトレード方法のひとつです。
逆張りナンピン手法がオススメできない理由
逆張りのナンピン手法とは
勝率が高い手法のひとつに逆張りナンピン手法があります。
暴騰(暴落)の際に逆張りで売り(買い)のポジションを取り、さらに上がる(下がる)ようならさらに売り(買い)のポジションを積んでいくという手法です。(基本ロスカットは設定しない人が多い)
急激な相場変動は戻る場合がほとんどですので、この手法は勝率が高くなります。
ナンピンによって平均取得単価はよくなっているので、多少価格が戻ってくれば利益になるため勝率が高くなりやすいということです。
ですが、このナンピン手法は99回勝っても1回で資金を飛ばしてしまうような手法なので全くオススメはできません。
具体例
ドル円が100円から99円に暴落したので10万通貨を買い、98.5円まで下がったのでさらに10万通貨を買い、98円までさらに下がったので10万通貨を買います。
この時、平均取得単価は98.5円((99+98.5+98)÷3)ですので、98.5円が損益分岐点の価格になります。
価格が98.5円より高くなれば、つまり安値から50pipsくらい戻れば儲かる状態になります。
200pipsも下落したら50pipsくらいはたいてい戻るため、大体の場合プラスになります。
価格が戻らないと悲惨な状態に
ほとんどの場合に儲かると言ってもいい逆張りナンピンの手法ですが、価格が戻らなければ当然のことながら悲惨な状態になります。
逆張りということですので、直近のトレンドに逆らうかたちでポジションをとっているわけです。
そのトレンドが強かった場合、ひたすら自分のポジションとは逆方向にもっていかれ、含み損に喘ぐこととなります。
また、逆張りナンピンはロスカットを想定していないことが多いため、損切れないか、損切りをしても「自分が精神的に耐えられないから投げる」というような感覚的なものになります。
そのため、多くの場合なぜか底や天井で投げることになります。
1回のミスで資金の大半を吹っ飛ばすか、ゼロカットの憂き目にあう場合が多いのが逆張りナンピンという手法です。
そもそもロスカット基準のないエントリー自体がオススメできません。
参考:エントリー時点でロスカット位置を決めておくことの重要性
直近だとユーロがひたすら売られています。(2018年5月頃の話)
例えば、ユーロドルだと下記のチャートのような状態です。

上記チャートはユーロドルの日足です。
わかりやすいようにラインを引いてみましたが、ラインを下に割ってからひたすら下げ続けています。そして目につく範囲での安値も割り込んでいます。(5/30現在)
ラインを割ってから1か月くらいで、600pips以上の下落です。
そろそろ戻るだろうでユーロを買って、さらにナンピンなどをしている人は大惨事になっていると思います。
逆張りナンピン手法がオススメできない理由のまとめ
逆張りナンピン手法は、1度のミスで口座の資金を吹っ飛ばしてしまう可能性がある取引手法なのでオススメできない
海外FXのようなレバレッジの効いた証拠金取引ではナンピンは1回ミスると致命傷になりやすいです。
株などの場合に、ずっと保有するつもりでナンピンしているならいいかもしれませんが、海外FXの場合はやめておいた方が無難です。
人は損失を回避する行動があるので、できれば損をしない高勝率の手法を求めがちですが、高勝率であることがトレードで安定して稼ぐための絶対条件ではありません。
一発退場の可能性のある高勝率な手法よりも、勝率5割でもあとから見たときに利益が残っている手法でトレードした方が相場で生き残れる可能性は高いと言えます。
