FXの損益計算は、あらかじめ「取引通貨数の1pipsの損益」を把握しておいて、「獲得pips」を掛ける方法がオススメ。
ドル円3万通貨を売買したら1pipsの損益は300円。
30pips抜けたなら9,000円の利益、20pipsの損切りになったら6,000円の損失。
みたいな感じで。
ということで、ここでは「FXの損益計算方法」についてまとめておきます。
FXの損益計算の基本
FXの損益計算方法
- 取引通貨数の1pipsの損益×獲得pips
- 取引通貨数×値幅
FXの損益計算は、上記2つの方法で計算できる。
式だけ見てもわかりづらいので、例をあげます。
損益計算の例
- 通貨ペア:ドル円
- 取引通貨数:3万通貨
- 売買:買い
- エントリー:105.645円
- イグジット:105.988円
①「取引通貨数の1pipsの損益×獲得pips」で計算
34.3pips×300円=+10,290円(の利益)
②「取引通貨数×値幅」で計算
(105.988-105.645)×3万通貨=+10,290円(の利益)
どちらで計算しても結果は同じ。
だけど、個人的なオススメは①の取引通貨数の1pipsの損益を先に計算して、それに獲得pipsを掛ける方法。
なぜなら、そのうち値幅はpipsでしか考えなくなるから。
ということで、以下「取引通貨数の1pipsの損益×獲得pips」に沿った損益計算の方法についてまとめていきます。
取引通貨数の1pipsの損益の把握
取引通貨数の1pipsの損益は、切りのいい通貨数の1pipsの損益を把握しておくと暗算でも計算できます。
通貨数の1pipsの損益は「通貨数×1pipsの変動額」で算出されるので、切りのいい通貨数の1pipsの損益を表にする。
例えば、円絡みの通貨ペアの通貨数と損益を表にすると以下のような感じ。
切りのいい通貨数 | 1pipsの損益 |
1,000通貨 | 10円 |
1万通貨 | 100円 |
10万通貨 | 1,000円 |
100万通貨 | 10,000円 |
ドル円、ユーロ円などの円絡みの通貨ペアの1pipsは0.01円なので、通貨数に0.01円をかけることで1pipsの損益が計算できる。
この基本となる1pipsの損益さえ把握しておけば、自分の取引通貨数の1pipsの損益の計算も簡単にできる。
3万通貨でトレードするなら1pipsは300円の変動だし、12万通貨でトレードするなら1pipsは1,200円の変動になるといった具合。
獲得pipsの把握
pips(ピップス)は、FXにおいて値幅を表す単位。
桁数が異なる通貨ペアでも比較を容易にするため用いられます。
基本的に、円絡みの通貨ペアなら1pipsは0.01円、それ以外の通貨ペアなら小数点第4位の位が1pipsになる。
この辺については、下記記事にまとめてあるのでよくわかってない人は見てください。
損益計算の具体例
損益計算の式
取引通貨数の1pipsの損益×獲得pips=損益
取引通貨数の1pipsの損益と獲得pipsが把握できれば、それを掛ければ損益が計算できます。
こういうのは、具体例があった方が分かりやすいと思うので、いくつか例をあげていきます。
例1
- 通貨ペア:ドル円
- 取引通貨数:3万通貨
- 売買:買い
- エントリー:105.645円
- イグジット:105.988円
取引通貨数の1pipsの損益
30,000×0.01円=300円
獲得pips
(105.988-105.645)÷0.01円=34.3pips
損益
300円×34.3pips=+10,290円(の利益)
例2
- 通貨ペア:ユーロ円
- 取引通貨数:8万通貨
- 売買:買い
- エントリー:130.545
- イグジット:130.138
取引通貨数の1pipsの損益
80,000×0.01円=800円
獲得pips
(130.138-130.545)÷0.01円=-40.7pips
損益
800円×-40.7pips=-32,560円(の損失)
式にすると、pips換算する箇所の計算が面倒な感じもするけど、そのうち値幅はpipsでしか考えないようになるし、通貨数あたりの1pipsの損益も当たり前になる。
なので、最初は慣れるのが大事。そのうち暗算でもできるようになります。
ユーロドル等の損益計算(参考)
最後に、ユーロドルやポンドドルなど円がない通貨ペアの1pipsの損益計算の話をしておきます。
例えば、ユーロドルの場合、通貨数と損益を表にすると下記のようになる。
切りのいい通貨数 | 1pipsの損益 |
1,000通貨 | 0.1ドル |
1万通貨 | 1ドル |
10万通貨 | 10ドル |
100万通貨 | 100ドル |
ユーロドル、ポンドドルなどのドル絡みの通貨ペアの1pipsは0.0001ドルなので、通貨数に0.0001ドルをかけることで1pipsの損益が計算できる。
掛けているのがドルなので、1pipsの損益の単位も当然ドルになる。
なので、円絡み以外の通貨ペアは、1pipsの損益を円換算しないと正確な損益計算ができません。
この円換算の方法ですが、「通貨ペアの右側の通貨と円の組み合わせ」である通貨ペアの現在レートを1pipsの損益にかけるだけです。
ユーロドルなら1pipsの損益に現在のドル円のレートを、ポンドスイスフランなら1pipsの損益にスイスフラン円のレートを掛けることで円換算した1pipsの損益が計算できます。
なお、トレード前に大まかに損益を把握したいだけなら、円絡みの通貨ペアと同様に計算しておけば問題ないとは思います。換算めんどうだし。
最終的にはロットも絡めて把握
FXには損益計算で使う通貨数とは別にロットという発注に使う取引単位がある。
なので、ロット数、通貨数、1pipsの損益の関係はまとめて把握しておくのが合理的。
取引ロット | 通貨数 | 1pipsの損益 |
0.01ロット | 1,000通貨 | 10円 |
0.1ロット | 1万通貨 | 100円 |
1ロット | 10万通貨 | 1,000円 |
10ロット | 100万通貨 | 10,000円 |
上記のような対応が理解できていれば、発注の際にいちいち通貨数がどれくらいとか考えなくても、想定損益が暗算できるから。
おわりに
損益計算を理解しておくべき理由は、
「これからするトレードでどれくらいのリスクを負って、どれくらいのリターンを狙うのか」
を事前に金額で把握しておく必要があるためです。
口座残高に対して、ほどよいリスクとリターンを設定しないと、そのうち強制ロスカットを喰らって退場する。
そうならないように、トレード前のリスク管理的に損益計算は理解しておかないといけないということです。